「販促は一日にしてならず」
美容業界に新しい風を吹かせる!
それがブルーオーシャン戦略!
今回取材させていただくのは、大阪府泉佐野市の美容室A様。
現在2店舗を運営されています。
オーナーのTさんは、2019年に紙ペンセミナーを受講。
2020年のコロナ禍にも関わらず前年超えを果たし、2020年の年末には表彰となりました。
あれから5年――
Tさんのお店は、さらに驚くべき進化を遂げていました!
(2020年表彰後の数字の変化)
◆年商1億目前!9,600万!
◆技売り年商 約2.4倍!
◆スタッフ生産性80万→120万越え!(週休2日・8時間労働)
◆カラー比率 56%→90%越!
◆平均客単価 10,900円→13,600円!(税抜・技売のみ)
前回の表彰時、次の目標は「スタッフを採用して、2店舗で1億目指していこうと思います」と語っていたオーナーのTさん。
あれから5年経過して、なんとなんと!
有言実行!
目標年商の1億間近の、9,600万になってしまいました!
コロナ禍にヒマになった際、ピンチを生かして、思い切って週休二日・8時間労働に移行したTさん。
前回表彰後からは、今度は1人1人のお給料UPを達成させるために、さらに改革を重ねていきました。
これからも続いていくインフレの中、オーナーが目指すべきは年商を上げることではなく、スタッフ1人当たりの生産性を上げて、賃金を確実に上げていくことが最重要課題です。
今回の記事は、スタッフさんのお給料を上げたいけれど、どうすれば良いのか悩んでいる方に必見のインタビューです!
地域名+美容室名をタイトル名に入れると、SEOで記事が上位表示してしまいます。
「地域名+美容室名」は、美容室を探している一般のお客様が検索するキーワードです。
こちらのブログでは、美容室経営者様に取材許可を得て記事を配信しておりますが、一般のお客様のお気持ちに配慮して、あえて美容室名やインタビュイーのお名前をイニシャル表記とさせていただいておりますので、あらかじめご了承ください。
――2度目の表彰おめでとうございます!

川田:
今回は、大阪府泉佐野市の美容室Aさんの所へお邪魔しております。
2回目の表彰、おめでとうございます!
Tさん:
ありがとうございます!
川田:
前回は2020年、コロナ禍真っ只中でしたよね。
2019年の受講時点と比べると、今や年商2倍!
・・・税理士さん、さすがに驚いてるんじゃないですか?(笑)
Tさん:
うーん、そこまでびっくりは…(笑)
川田:
えー!驚かないの?
いやいや、税理士さんもっと驚いてよ!
コロナ禍明けで、こんなずっと伸びてるお店少ないですよ!(笑)
だって、事実として、
2019→2020 114%。
2020→2021 135%
2021→2022 112%
2022→2023 125%
2023→2024 121%
2024→2025 106%
毎年成長で年商1.8倍!
技売り年商だけなら2.4倍!
5,300万だったのが、1億目前まで成長してるんですよ!?
これは並大抵なことじゃないですよ。
・・・でも正直、プレッシャーはありませんでしたか?
Tさん:
ありましたね。
だから、「まぐれじゃない」って証明したい気持ちはずっとありました。
まず“前年を割らない”。
それだけは絶対に守ろうと、毎年決めていました。
川田:
なるほど。
毎年経営合宿にもご参加いただいていますが、それは毎年おっしゃってましたね。
前回の表彰からここまで伸び続けられた原動力は、どんなところにあったんでしょうか?
Tさん:
スタッフの働く環境を良くしたい
その思いが一番大きかったです。
「休みを増やしたい、でもお給料も上げてあげたい」
その両立を目指して、ずっと仕組み作りを続けてきました。
前回の表彰の時は、コロナ禍でも週休二日制を続けると決めた頃でした。
川田:
そうでしたね。
ピンチをチャンスに変えて、どうせヒマならお休み体制変えちゃおう!とチャレンジしましたね。
そこからさらに、“給料を上げるにはどうすればいいか”を、突き詰めていったんですね。
Tさん:
はい。
お休みを増やすことはできたけれど、次はお給料を上げてあげたい。
どうすればみんなが幸せに働けるか、それを毎年考えながらここまで走ってきました。
――1店舗目・A美容室の成長の裏側

川田:
まず1店舗目のA店の方ですが、
2020年|スタッフ数2.4人、月商平均188万、生産性約80万円。(表彰時)
↓ ↓ ↓
2025年|スタッフ数平均3.6人、月商平均450万、生産性約97万円。(8月まで)
2025年|スタッフ数平均4.0人、月商平均464万、生産性約117万円。(年間平均)
去年の9月にスタッフが1名増員して、昔に比べると2.4名→4.6名体制になりましたね。
週休2日・8時間労働をキープしながらも、生産性は落ちることなくむしろ上がって、120万円近くになってきています!
Tさん:
うふふ、ありがとうございます(笑)
川田:
大丈夫?
オーバーワークになっていませんか?
Tさん:
はい、ちゃんと17時半には帰っています。
仕事を詰め込みすぎないようにしています。
川田:
素晴らしい。
前回の記事を見返したら、「月125万円を目指しなさい」と当時のコンサルタントさんに言われていましたよね。
その内訳が、技売り100万+店販25万でしたが、技売りだけで120万を超えましたね。
Tさん:
技売りだけで超えるようになりましたね!
川田:
ここまでの成長、やはり販促だけでなく経営改善にも力を入れられたんだと思います。
特に印象に残っている取り組みはありますか?
Tさん:
そうですね。
当時、店長だけ売上が突出していて、他のスタッフとの差が大きかったんです。
でも1人だけが良くても、お店全体の成長には繋がらない。
だから、店長の売上を少し落としてでも、他のスタッフの力を底上げするようにしました。
全体で伸びる形を目指していくのが大変でしたね。
川田:
確かに、リーダー1人に頼るとリスクになりますもんね。
他にはどんな改善を?
Tさん:
思い切って価格の見直しをしました。
カット料金を4,800円から6,600円に、新規のお客様は8,800円に引き上げました。
川田:
おお、それは大きな決断でしたね。
その他にも、同時に値上げされましたよね?
Tさん:
はい。メニュー全体の見直しをしました。
結果として、客単価も上がりました。
川田:
そう考えると、これまで結構値上げしてきましたよね!
前回表彰時の客単価は10,900円。
当時のカラー比率、覚えてますか?
Tさん:
うーん、たしか…60%くらい?
川田:
正解は56%!
それが今では、90%を超えています!
客単価も13,700円まで上がっています!
Tさん:
ほんとにここまで来れるとは思ってませんでした(笑)
川田:
すごいですよ。
スタッフさんがいるお店で、アベレージ13,600円は簡単じゃない。
どうやってカラー比率をそこまで上げたんですか?
Tさん:
新規は「カラーカット」を軸に集客しました。
チラシもホットペッパーも、掲載メニューはカラーカットのみ。
新規のお客様は他のメニューを選べないようにしたんです。
川田:
なるほど。
メニューを“絞る”ことで、自然とカラーメニュー比率が上がっていったわけですね。
Tさん:
はい。意図的に、カラー中心の設計にしました。
――2店舗目・M美容室の成長の裏側

川田:
A店だけでなく、2店舗目のM店もすごい伸びですよね。
2020年当時、スタッフ2人で月商平均160万円、生産性80万円でしたね。
それでも十分優秀でしたが、2025年はスタッフ2人で月商平均267万円、生産性133万円までアップ!
Tさん:
ありがとうございます。
川田:
しかもカラー比率も同じく90%越え、客単価は14,000円!
素晴らしいです!
Tさん:
ありがとうございます!
川田:
ブログを読んでいる方の中には「高級サロンだからでしょ?」と思う方もいるかもしれません。
でも、そうじゃないですよね。
価格を上げたからではなく、カラー需要をしっかり育てた結果ですよね。
Tさん:
そうですね!
でも、私は現場に立ってないので、やるのはスタッフたちなんです。私は“やらせる側”なんですよ。
川田:
いやいや、それが一番大変なんですよ!
自分でやるよりも、現場に任せて成果を出す仕組みを作る方が何倍も難しいですから。
Tさん:
うーん、そうかもしれないですね。
川田:
ちなみにM店のカラー比率、当時は71%でしたよね。
そこから90%まで上がって、客単価もA店を上回りましたね!
Tさん:
そうですね。
ただ、M店は立地的にどうしても集客が難しいんです。
競合も多くて、高単価を払ってくれる層も少ない。
それでも地道に積み上げて、ここまで来れました。
川田:
それぞれの店舗が、違う条件の中でしっかり結果を出してきた。
どちらも違う強みを持ちながら伸びていますよね。
――口コミ地域No.1を目指した仕組みづくり

川田:
僕が「すごいな」と思うことの一つに、Google口コミ件数が挙げられます。
A店は180件以上、M店も120件以上集まってますね!
ロープレや仕組み化も含めて、めちゃくちゃ大変だったと思うんですが。
Tさん:
そうですね。
正直、最初はスタッフも「そんなに口コミ増やしてどうするんですか?」って感じだったんです。
でも私には“このエリアで一番になりたい”という目標がありました。
そのために口コミで地域No.1を取ると決めて、全員で取り組みました。
川田:
なるほど。
そこに想いがあったわけですね。
Tさん:
はい。
A店は「新しいことやろう!」ってすぐ動くタイプが多いんですけど、
M店は「えー本当にやるんですか?」って慎重派が多い(笑)
だから、まずA店で成功体験を作ってからM店へ広げるようにしてます。
成功例を見せると、自然に「自分たちもやってみよう!」となるんです。
川田:
年間制度の導入のときも、まさにその流れでしたね。
Tさん:
そうなんです。
うちのやり方は全部その流れで(笑)
A店で試して、成功事例を形にしてからM店に導入。
「これやったらこうなるよ」って具体的に伝えると、みんな動けるんですよ。
川田:
なるほど。
実践型の仕組みですね。
Google口コミも、最初から全員に数字の目標を持たせてましたよね?
Tさん:
はい。
各店舗に「今週は何件とるか」の担当を設定して、グループLINEで進捗を共有してます。
「A店は今週1件、M店は2件、合計○件です」って。
全員が見える形にすることで、ゲーム感覚で達成意識が持てるようにしました。
1件取れたらインセンティブを出すようにもして、小さくても喜びを感じてもらえるようにしました。
川田:
すごい。
数字管理とモチベーション設計、両方仕組み化されてる。
もう「人に任せる」っていうレベルじゃなくて、チーム経営ですね。
Tさん:
そうですね。
私は現場に出てない分、仕組みと信頼で動かすしかないので。
最初は手探りでしたけど、今ではみんな自主的にやってくれるようになりました。
――“美容師ではない自分”だからこそできた経営

川田:
Tさんって、最初の頃は「自分は現場に立ってないから」ってコンプレックスがありましたよね。
今はもう、ほとんど感じなくなったんじゃないですか?
Tさん:
うーん…どうでしょうね?(笑)
川田:
でも僕から見てて思うのは、
Tさんは「美容師じゃないからこそ見える視点」でお店を伸ばしてきたように感じます。
現場とは違う角度でスタッフを導いて、仕組みで支える。
それがTさんの強みですよ。
Tさん:
そう言ってもらえると嬉しいです。
最初の頃は紙ペンセミナーでも、参加者のみんなが現場の話をしているので、「私だけ美容師じゃない…」って引け目を感じていたこともありました。
でも、実績を積み重ねていくうちに、「私は私の立場でやるべきことがある!」って、思えるようになったんです。
そのきっかけは、やっぱり川田さんのおかげです(笑)
川田:
いやいや(笑)
でも嬉しいですね。
やっぱり“自分の役割を理解して経営に徹する”ってすごいことです。
あの時は、すぐ結果が出るものが好きって言ってましたよね(笑)
パーンとやって、ポーンと返ってくるやつ(笑)
Tさん:
そうそう(笑)
川田:
でも実際は、年数をかけてコツコツやって結果を出しましたね。
成功体験の連続が、今もずっと続いています。
急がず積み上げるやり方が、全部に繋がってるんですね。
Tさんは「決めたらやる」タイプだと思うんですが、カットの値上げのときは、スタッフさん達の反応はいかがでしたか?
Tさん:
思ったよりもスムーズでした。
価格を上げること自体、嫌がるスタッフはいなかったです。
「この通りやればできる」と全員が理解しているので、落ち着いて当たり前のように進めてくれて、成功体験がまた自信になっていきました。
川田:
みんな素直ですよね。
元々素直? 素直にさせてる?
それとも…脅してる?(笑)
Tさん:
!!(笑)
仕事では「やる」と決めたらやってもらいますけど、間違っていることや成功しないことはやらせません。
やりにくい点や問題は必ず聞く、成功したら共有する。
だから結果的に、成功するやり方だけが残っていってるんだと思います。
川田:
なるほど。失敗は少ない?
Tさん:
比較的少ないと思います。
失敗しないように準備するから、失敗は起こりにくいですね。
川田:
つまり、成功するように作ってきた、と。
Tさん:
そうです。
たとえば新しいスタッフが初めて年間制度をお客様へ提案した1〜2月、価格は2,750円。
私も売れるか不安でしたが、店長のフォローもあって、手順通りに提案すればしっかりご購入いただけました。
これがまず、新人スタッフの大きな自信になりました。
川田:
やれば結果が出る。
それがスタッフの自信の源になっているんですね!
――ナンバー2・店長との信頼関係

川田:
スタッフさん達の、オーナーへの信頼は厚いですね!
Tさん:
N店長の影響が大きいんだと思います。
私が学んでいることや取り組みの背景を、彼が常に現場に伝えてくれる。
「オーナーの支えがあるから今の数字がある、みんなの力だけじゃない」と。日頃から他のメンバー達に、そう伝えてくれているんです。
川田:
やっぱり、ナンバー2を育てたのが今回の最大要因ですね。
Tさんの意図を噛み砕いて現場に落とす、時に反発があっても同じ方向にベクトルを揃える、そこまでできる人材に育てあげたんでね。
Tさん:
私の母が倒れてから3年半経ちますが、介護もあって私自身、仕事面で支障が出る場面があったんです。
N店長には、同じようにお母様の件があって、私の大変さを理解してくれました。
だから「NO」と言わずに代わりを引き受け、ここ3年で本当に成長してくれました。
川田:
同じ方向を向くのは難しいことですよね。
日々のコミュニケーションはどうやって取っているんですか?
Tさん:
基本、時間が取れる日は必ず毎朝電話でミーティングしています!
昨日の報告や今日の懸念を共有して、20〜30分弱。
彼も現場で抱えたストレスをここで吐き出すし(笑)
「他のスタッフができない」という話になったら、その子を責めるのではなく、「どうすればできるように支援できるか」「こちら側がどう変わるか」を一緒に考えます。
川田:
やっぱり育てたんですね。
Tさん:
育ってくれた…かな。
川田:
オーナーとナンバー2の信頼関係は強い。
ナンバー2がスタッフとだけ仲良くなって一斉独立、なんて話も多い業界ですが、Tさん達の関係性は真逆で、上と結び直す動きが出来ていますよね。
Tさん:
N店長のレベルが高いから、下の子たちが逆に歩み寄れない場面もあるんですけどね(笑)
川田:
あはは(笑)
とはいえ、人が辞めないのは大きいですね。
Tさん:
そうですね。
――離職が少ない職場づくりで意識していること

川田:
離職が少ないと、売上は伸ばしやすいですからね。
何か意識されていることはありますか?
さっきスタッフさんが帰る時の声がけも、とても優しかったですよね。
Tさんてもっと怖い人かと思ってたので、ちょっとびっくりしました(笑)
Tさん:
(笑)
前回表彰していただいた時、私は「お客様第一」の気持ちを忘れていた部分があったと気づかせてもらいました。
そして今回は、それをスタッフに対して出来たのが大きいです。
母の件もあって、自分ができない状況をスタッフが受け入れてくれたことがきっかけで、私もできない人を責めなくなりました。
「やってくれてありがとう」に視点が変わったんです。
前は粗探ししてでも「なんで出来ないの!?」と責めてばかりでした。
今は現場から離れる時間が増えた分、それが良い意味で見えなくなりました(笑)
何かやってくれていたら「よくやってくれてる、ありがとう」と自然に言えるようになったんです。
川田:
お母様の介護をきっかけに、スタッフさん達への感謝の気持ちが大きくなり、Tさんもさらに優しくなれたんですね。
Tさん:
はい。自分自身が働きたくても思うように働けない状況になって初めて、みんなの気持ちが実感できるようになりました。
みんなそれぞれに家庭があって、時間に制約がある中で働いてくれている。
その中で出来ないことがあっても、仕方ないよね、と今では思えるようになりました。
川田:
なるほど。
責めるのではなく、認められる、受け入れられるようになっていったんですね。
Tさん:
丸くなりましたね…(笑)
川田:
あはは(笑)
Tさん:
だから、少しでもできたら「OK!」
できないことがあっても「もう、仕方ないね〜」って。
母の件で私が現場を離れる時間が増えたのも、任せる覚悟につながりました。
言わなくてもやってくれていたら、「できるじゃん!」って。
今では「このことを知るために母が倒れたのかな」と思うくらいです。
川田:
環境が変わって、Tさん自身が変わったのですね!
Tさん:
上が変わらないと下は変わらないですからね。
前回も同じこと言ったように思いますが、やっぱりお店が変わったんじゃなくて、私が変わったことが大きいんだと思います。
川田:
第一線で旗を振る位置から一歩引いたことで、見え方が変わった。
スタッフにも店長にも感謝、そしてお母様にも感謝ですね。
Tさん:
そう思うようにしてます(笑)
川田:
週に何日、実家にいかれてるんですか?
Tさん:
水・木・金の、週に3日です。
川田:
じゃあ、週3日は仕事がしにくい。
フル稼働から、実質半分の時間になったんですね。
Tさん:
そうですね~。
川田:
仕事の向き合い方はどう変わりました?
任せる?それとも自分がオーバーワーク?
Tさん:
基本、私がオーバーワークなのは事実です。
でも、休みの日の空席案内に対するお客様の返信は、今はスタッフが自然に返せるようになりました。
指示を出さなくても考えて動いてくれます。
もちろん未完成なところもありますが、以前よりずっと任せられる状態になりました。
スタッフごとに個性があるので、それを把握して、接し方を調整しています。
今いる女性スタッフとも、2週間に1回は朝に連絡を取って対話をしています。
川田:
うーん、今見えてきましたよ!
Tさんは一人ひとりをよく見て、大事にしてますね。
お母さん的な存在で、画一的な指導の仕方ではなく、その子に合う言い方・育て方を実践されていますね。
Tさん:
確かに、それはすごく気をつけています。
そうしないと、その子が何について困っているのか、気付いてあげられないんですよね。
川田:
一人ひとりを見る…それが辞めない職場につながっているんですね。
褒めも叱りも、その人を見ているからちゃんと伝わる。
結局、数字が伸びたのはTさんが変わったこと、そして店長たちが自覚を持って、クッション役・牽引役に育ったこと。
この2つが大きいですね!
Tさん:
そうですね。
本当にスタッフ全員に感謝です。
――人が育つ仕組みとマニュアル化の工夫

川田:
やっぱり、人を育てるって一番難しいですよね。
「新しい人が入ると、当然生産性が下がる」
美容室Aが早めに元の生産性へ戻せたのは、なぜだったと分析していますか?
Tさん:
やることのマニュアルを作り上げられたことが要因だと思います。
マニュアルとロープレを繰り返し、2回目3回目と再来してくださる方が増え、それが新しいスタッフの自信になったんだと思います。
それと、新規集客に力を入れて呼んだことも大きかったと思います。
新しいスタッフと目標を共有した際、「100万いきたい」と本人が言ったので、月30人新規を担当してもらった時もありました。
100万いくために逆算して月ごとの数字を決め、達成までの流れを作り上げました。
結果、達成して、今も月100万を維持しています。
川田:
普通は早くても2年以上は掛かるところを、1年で到達。
新規供給×マニュアル×ロープレで、固定率が上がったのが決め手ですね。
Tさん:
本当にそうです!
最後のレジは必ず店長が担当してフォローする、この仕組みも効いたと思います。
川田:
「入る→育つ→定着して売上を作る」までの一連の流れができたんですね!
スタッフが2人増えて売上はプラス200万以上増。
まさに、新しいメンバーがすぐに力を発揮できる仕組みができています!
ずっと上り調子で、一見苦労がなさそうに見えますが、実際はどうですか?
Tさん:
いやいやいや!毎日追われてますよ(笑)
私は現場に立たない分、伝票は全部目を通すし、違和感があれば指示を出す。
販促と日常業務で1日が終わって、次の課題に手が回らないこともしょっちゅうです。
川田:
それでも結果が出ているのは周囲の支えがあり、そして何よりTさんの努力の賜物ですね。
Tさん:
ありがとうございます。
――前回表彰当時の自分に伝えたい言葉

川田:
前回表彰されたとき、あの頃の自分にメッセージ、言葉をかけるとしたら何と言いますか?
Tさん:
「もっと頑張れ!」かな(笑)
川田:
(笑)
十分頑張ってきたと思いますが…。
Tさん:
あの頃は、とにかく必死でした。
年齢と共にできないことも増えて、今は人に任せることの大切さを実感出来るようになりました。
川田:
お母様のことがきっかけで、色々なことを受け入れられるようになったんですね。
Tさん:
もし母が倒れていなかったら、本当に今の形にはなってないかもしれないです。
良いこととは言えないけれど、起きたことをプラスに捉えようと思っています。
川田:
では、当時の自分にかける言葉は・・
「もっと任せていいよ」かな?
でも、あの必死さが今に繋がっている、とも言えますよね。
Tさん:
そう思います。
あの頃の頑張りも、今起きていることも、全部必然で必要なことなんだって思います。
――これから美容室経営で成長し続けたい人へのメッセージ

川田:
最後に、これから成長し続けたい人へメッセージをお願いします!
Tさん:
教わった販促を素直にやり続ける。それだけです。
DMでも、くじ引きでも、販促を続けていなかったら今の形は絶対にないです。
「変わりたいなら、素直に受け入れること!」
今やっていないならまずやる。
やり続ければ、伸び続けられると思います。
川田:
ありがとうございます!
プライベートな変化とかはありましたか?
Tさん:
母の状態は悪化していて、認知も進んでいます。
こういう状況で売上が落ちたら本当に大変。
次の選択も考えながら、誰かの手を借りつつやっていくしかないですね。
だから、今の数字には本当に感謝しています。
――今後の目標を教えてください

川田:
今後のTさんの目標があれば、是非教えてください。
Tさん:
お金では解決できないことも多いので、母を看ながら自分も成長していきたいです。
仕事面では、引き続き拡大を目指します。
次の店長候補も決まっているので、そこで止まらずに大きくしていく。
皆の生活も背負っているし、スタッフには、もっとお給料を渡せるように。
みんなが幸せに、自分の人生を自分で決めて歩いていけるように…それが理想ですね。
川田:
ありがとうございます。
数字が上がって、スタッフさんの給料も上がってるんですね?
Tさん:
上がりましたね!
川田:
やりがいにも直結してるでしょうね。
Tさん:
そこしかないですしね!(笑)
川田:
福利厚生も美容師だからといって妥協しない会社になりたいと、以前そう話してましたよね。
Tさん:
はい。
おかげさまで実現できました!
川田:
素晴らしい!(拍手)
お休みも環境も良い会社になりましたねー!
Tさん:
お客様からは「休み多いね」って言われますけどね(笑)
「普通ですよ〜」って答えてます(笑)
川田:
Tさんがお店にいる時間は、以前と今では、どのくらい変わりましたか?
Tさん:
以前はほぼフル。
そこから少しずつ減らして、表彰後は8割ぐらい。
今は母の件で、水木金は不在なので、3割ぐらいですね。
川田:
オーナーがいない方が…(笑)
そりゃ、オーナーって現場にいなくて済むなら、いない方が働きやすいですよね(笑)
Tさん:
でも、今日は朝から夕方まで4枠埋まっていたので、可哀想で手伝いにきましたけどね!(笑)
川田:
完全に不在なわけではなく、毎日スタッフさんたちとコミュニケーションを取って、必要に応じてサポートをしているのが成長の秘訣ですね。
Tさん:
そうですね。
あと、カット+カラーは2時間枠なんですが、お客様の髪の長さや毛量によっては、1時間半で終わる時もあるんです。
そんな時は、「お客様としっかりコミュニケーションを取って、1時間45分で上げればいいよ」と伝えています。
なんでもかんでも時短でやれば良いわけではなく、やっぱり美容室で大切なのはコミュニケーションだと思いますので。
川田:
今回は販促ノウハウというより、仕組み化とチームビルディングのお話を中心にお聞きしました。
Tさんの変化、N店長の成長、そして1年で売上100万稼げる人材を育てる仕組み。
読者の皆様にとって、とても大きな学びになったと思います。
たくさんのお話、ありがとうございました。
Tさん:
こちらこそ、ありがとうございました。

2020年の表彰から5年。
「前年を割らない」と決めて走り続けたこの5年間は、決して平坦ではありませんでした。
値上げ、働き方改革、スタッフの育成、そしてお母様の看病。
どんな壁にも逃げずに向き合い、現場に立たずとも成果を出す仕組みを築き上げたTさん。
印象的だったのは、
「変わりたいなら、素直に受け入れること」その一言でした。
この言葉の通り、素直に学び、素直に行動し続けた結果が、確かな成長につながっています。
これからもチームと共に、優しさと情熱をもって進化を続けてください。
そして、1人でも多くの幸せな美容師さんを増やしてください。
これからも応援しています!
「販促は一日にしてならず」
川田でした。

